04.27.11:08
[PR]
11.30.20:52
化粧・前(禄総受け)
寝てる兄貴に悪戯するプトレマイオス女性衆。兄貴はきっと化粧が映えると思ってガリガリ書いた。
マイノリティな自覚はありますが、多分似たようなことをまたきっとやらかすので、反省はしないことにした(オイ
本当は一気に出したかったのですが、誰オチにするか決まらなくて…(汗)
マイスターのどれかかハロ、というのは決まってるんですけどね…。
書いてて楽しかったのは、三人のキャイキャイとした会話です(苦笑)
日常の一環である戦闘シミュレーションを終え、ロックオンは休憩室の壁によりかかって本を読んでいた。目が良すぎるのが本を読むには仇となるのか、今は下部に銀色のフレームが付いた眼鏡を掛けている。
書籍のデータをダウンロードし、コンピュータの画面で読む方が現在では主流となっているのに、彼はこの味が良いんだ、と笑って古き良き方法を貫いている。
別に、特別アナログ思考というわけではないのだが―――。
室内の重力設定はオンにしてあるので、ふわふわとその身が宙を舞うことは無い。
邪魔をしてはいけないと思っているのか、彼が常日頃から相棒と豪語する高性能AIは大人しく彼の傍を行ったり来たりしている。
しかし、全員が全員癖が強い年少のマイスター達の面倒で疲れが溜まっているのか、半分ほど読んだところで次第に手の動きが緩慢になってくる。
やがてかくり、と首が折れて、その唇から静かで規則的な呼吸がもれ始めた。力が抜けた手から本が落ちて、小さく音を立てる。
オレンジ色に塗装されたハロは、生物で言えば位置的に耳に当たるであろう部分をピコピコさせた後で、動かなくなった。
部屋には小さな寝息とハロの内部に搭載された機械の微かな音だけが響く。
しばらくして、その部屋の扉が独特の機械音と共に開いた。
「あら」
「あれ?」
「……あ…」
プトレマイオスの女性陣がひょっこり顔を出し、三者三様の表情をした。
突然の入室者にハロは目を明滅させると、飛び跳ねずにコロコロと転がりながらフェルトの足下に近寄る。最年少のソレスタルビーイング構成員は、無表情ながらどこか嬉しそうにハロを抱き上げた。
「珍しいですね、ロックオンさんが昼寝だなんて」
クリスティナが起こさないように出来るだけ静かに部屋を横切ってロックオンに近付く。
非戦闘員とはいえ、もしもの時に備えて多少の訓練はしているからか、彼が目を覚ますことはなかった。それとも、多少なりとも信用してくれているのか。
「でも、よく寝ているようね。起こすのはしのびないわ」
実は凄腕のオペレーターに続いてスメラギと、ハロを抱えたフェルトも近付く。
「ブランケット…」
「…は、無いわね。まぁ、風邪をひくこともないと思うけど」
フェルトの言葉に、繋ぐように言葉を発してからクリスティナはそっと屈む。そして開いたまま床に落ちていた書を拾って表紙を閉じ、眼鏡も外すと床に置いた本の上に置いた。他の二人も動きにつられて、屈む。
そして、三人して最年長のガンダムマイスターの寝顔を覗き込んだ。
それでも彼は目を覚ます様子がない。いよいよ、眠りは本格的に深いようだ。
「なんだか和むなぁ」
「あぁ、それは分かるわ。気持ちよさそうだものね」
「………うん」
ほんわ~としたムードが漂う。
「それにしても、肌綺麗よね。羨ましいわ」
マジマジと、眠り込んでいるロックオンを見つめる三人。
「雀斑もニキビも無いんですよね、そういえば」
こくり、とフェルトも声なく同意する。
「こうやって見れば、顔の造り自体良いのよね」
「ティエリアほど分かりやすくはないけど」
ここで一瞬沈黙。そして声が揃って、
「「「…ねぇ(ね)」」」
互いに顔を見交わす。こんなとき、女に言葉は要らない。
「わたし、この間ローズの発色が良いルージュ手に入れてね」
「チークは…ベージュかレッド系で良いかしら」
「…アイシャドーは?」
「目の色に合わせて緑系で良いんじゃない?」
「目尻に淦を入れてみたいんだけど」
「じゃあ、赤系統でしょうか? ファンデは…要らない、っと」
「マスカラは…私達のじゃあ、色が合わないわね」
嗚呼、【女三人、姦しい】とは、昔の人はよく言った。
五月蝿いだけならまだ良いが、悪戯に興じる女三人などその比ではない。
くすくすと、とても楽しげな笑い声が部屋に響いて溶けていった。
- トラックバックURLはこちら