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ダブルオー。録音受けの(今のところは)期間限定ブログ。 2007/11/8開設。
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  • 11/20/00:22

03.11.23:33

その、意の聡きこと

荒録






 いつの間にそんな癖が付いたのか。今となってはよく覚えていない。
 ただ、幸せだったあの、遠い日の頃はそんなことはなかったと、うすぼんやりと覚えている。

 ―――あぁ、最初は爪を噛む癖だったか。スナイパーとして手を傷付けるのは自殺行為に近いと分かっているのに、止められなくて、気休めにでも手袋をはめるようになった。手を大事にするのは当たり前だから、ちょうど良かったのかも知れない。

 不意に腕に触れる感触に我に返ってちらと視線をずらせば、少し悲しそうな灰色の瞳が目に入った。どことなく悲しげなのは大抵いつもだが、今のは心配の粒子が混じっている。
 視界が少し狭いなと思って、眼帯をしていることをやっと思い出した。
「唇…あまり噛まない方が良いですよ」
「そんなにひどいか?」
「うん、かなりね」
 そのわりあいにはっきりした言葉に、一体どれほどのものかと確かめようとした手が、止められる。
「モレノ先生から薬貰ってきたから…」
 遠回しな誘いの言葉に、ロックオンは瞳を揺らせた後で、頷いた。



 どこまでも優しい、労るような手つきで薬が塗られる。
 薬を取り出す間と塗る間、そしてしまうまで、二人の間には会話一つ存在する余地がなかった。そのことを気にしているのはロックオンの方だけのようで、アレルヤは表情を変えないまま一連の動作を進めていく。
 薬の付いた指先を拭い、容器の蓋を閉め、脇にそっと置く。そうしたところで、心持ち伏せていた顔を上げて、アレルヤはひた、とロックオンと視線を合わせた。
「心配しちゃ…駄目ですか?」
「…アレルヤ?」
「悲観的な言葉を言うのも、貴方の言葉に反対するのも、慎重論が必要だからじゃない。僕の我が侭だよ。貴方が心配な、ね」
 特に、目をやられた後から。と続ける目の前の青年に驚愕に瞠られた隻眼を向けて、また狙撃手は知らず唇を噛んでいる。薬の苦味と、他の何かの苦さが、その口の中にゆっくりと広がっていった。



兄貴は本当に切羽詰まったときとか、どうしようもないときは唇噛む癖があると良いな、という願望です。
このところ、書く文章が大概短い。うーん。

この二人は、一応出来てますよ。
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