04.25.01:55
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04.20.11:25
明るく楽しい死後ライフ(仮)
再会
茶録
ふ、と唐突に目の前が開けた。それがあまりに急激で目がくらみ、思わず閉ざしていた。瞼を介しても、白い光は眩しいほどだ。
次第に、慣れてくる。
ゆっくりと、開いてみた。
青い、どこまでも限りなく澄んでいるが故に最奥まで見ることが出来ない空、強すぎも弱すぎもしない太陽。一面に、草原が広がっている。
そこでようやく、彼は自分が地面に腰を下ろしていることに気付いた。
「地上は嫌い………だ…」
真実そう思っているはずなのに、何故か、声が僅かに震える。
「そうか、残念だな」
不意に背後から聞こえたのは、懐かしい声。否、声質自体は同じだが、受ける印象は、ひどく柔らかい。
振り向きたくて、それでも振り向いた先に誰もいなかったら、という非現実的な恐怖もあって、首が、回らない。
「お前さんが嫌うほど、地上は居心地悪いもんかね?」
「ただ、気に入らないだけですよ」
名を呼びたいのに、喉元までせり上がってきているのに。なのに口がまるでいうことを聞かない。そう言えば、自分の名前はなんといっただろうか。…思い出せない。
そっけない言葉に、彼は苦笑したようだった。
「オレは好きだがな、ここは。……立てるか?」
「なに当たり前のことを聞いてるんです」
「いや、ずっと座ってるから、立てないのかと」
「余計なお世話です」
掛けられた言葉をばっさりと切り捨てて、立ち上がる。それでもまだ、振り向けない。
「よし。…じゃあ、行くか。ティエリア」
………あぁ、ティエリア・アーデというのが、彼の知る自分の名だった。
やっと、振り向くことが出来た。
陽光を浴びて佇む、懐かしい姿。ゆるく波打った髪も、翠の瞳も、全く記憶の中にある彼と変わらない。片目を覆っていた眼帯も無かった。
ただ、その表情だけが柔らかい。リラックスしているとでもいうのか、本当の意味で穏やかな風情がある。そんな表情は、初めて見た気がした。
「ロック…オン……」
呼べた。やっと。
彼の本当の名前は知っている。「ここ」では多分、そう呼ぶ方が相応しいのだろう。しかし、「ロックオン・ストラトス」というコードネームの方が自分的には彼にしっくりと馴染んでいた。少なくとも、今は。
微笑んだ彼に、ティエリアも、嘲笑や冷笑といった類ではない笑みをどこか不器用に浮かべた。
※オマケ※
「ここは一体何処なのでしょうね」
「さぁてな。ま、あえて言うならあの世、ってとこだろ」
「ということは」
「あぁ、何人かに会ったぜ。トリニティの二人とかな。わりといい奴らだぜ?」
「…………(怒)」
「そう殺気立ちなさんな。ここでは敵味方考えるのもアホらしいだろ」
「…そう、ですね(どうしてくれよう)」
インプリンティングされた雛よろしくロックオンを慕うティエリアは彼を独り占めしたいのです。
そしてこの後ハレルヤと出くわし、その思いをさらに深めるティエリア・アーデ(年齢不詳)でした。
終わっとけ!!
*
…あれ?最後作文?
茶録
ふ、と唐突に目の前が開けた。それがあまりに急激で目がくらみ、思わず閉ざしていた。瞼を介しても、白い光は眩しいほどだ。
次第に、慣れてくる。
ゆっくりと、開いてみた。
青い、どこまでも限りなく澄んでいるが故に最奥まで見ることが出来ない空、強すぎも弱すぎもしない太陽。一面に、草原が広がっている。
そこでようやく、彼は自分が地面に腰を下ろしていることに気付いた。
「地上は嫌い………だ…」
真実そう思っているはずなのに、何故か、声が僅かに震える。
「そうか、残念だな」
不意に背後から聞こえたのは、懐かしい声。否、声質自体は同じだが、受ける印象は、ひどく柔らかい。
振り向きたくて、それでも振り向いた先に誰もいなかったら、という非現実的な恐怖もあって、首が、回らない。
「お前さんが嫌うほど、地上は居心地悪いもんかね?」
「ただ、気に入らないだけですよ」
名を呼びたいのに、喉元までせり上がってきているのに。なのに口がまるでいうことを聞かない。そう言えば、自分の名前はなんといっただろうか。…思い出せない。
そっけない言葉に、彼は苦笑したようだった。
「オレは好きだがな、ここは。……立てるか?」
「なに当たり前のことを聞いてるんです」
「いや、ずっと座ってるから、立てないのかと」
「余計なお世話です」
掛けられた言葉をばっさりと切り捨てて、立ち上がる。それでもまだ、振り向けない。
「よし。…じゃあ、行くか。ティエリア」
………あぁ、ティエリア・アーデというのが、彼の知る自分の名だった。
やっと、振り向くことが出来た。
陽光を浴びて佇む、懐かしい姿。ゆるく波打った髪も、翠の瞳も、全く記憶の中にある彼と変わらない。片目を覆っていた眼帯も無かった。
ただ、その表情だけが柔らかい。リラックスしているとでもいうのか、本当の意味で穏やかな風情がある。そんな表情は、初めて見た気がした。
「ロック…オン……」
呼べた。やっと。
彼の本当の名前は知っている。「ここ」では多分、そう呼ぶ方が相応しいのだろう。しかし、「ロックオン・ストラトス」というコードネームの方が自分的には彼にしっくりと馴染んでいた。少なくとも、今は。
微笑んだ彼に、ティエリアも、嘲笑や冷笑といった類ではない笑みをどこか不器用に浮かべた。
※オマケ※
「ここは一体何処なのでしょうね」
「さぁてな。ま、あえて言うならあの世、ってとこだろ」
「ということは」
「あぁ、何人かに会ったぜ。トリニティの二人とかな。わりといい奴らだぜ?」
「…………(怒)」
「そう殺気立ちなさんな。ここでは敵味方考えるのもアホらしいだろ」
「…そう、ですね(どうしてくれよう)」
インプリンティングされた雛よろしくロックオンを慕うティエリアは彼を独り占めしたいのです。
そしてこの後ハレルヤと出くわし、その思いをさらに深めるティエリア・アーデ(年齢不詳)でした。
終わっとけ!!
*
…あれ?最後作文?
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